就職したり、転職をしたけど、なんらかの事情で「会社を辞めたい」と思う事は、誰にでもあります。
私は日々多くの転職者の方と接する機会がありますが、1年以内に会社を辞め、転職活動を始めているという方も少なくありません。
今回の記事では、1年以内に会社を辞めたいと考えている方のために、キャリアと転職の観点で、是非知っておいていただきたい自分の価値の上げ方ついて解説したいと思います。
目次
1年以内に会社を辞めるのはダメな事のか?
日本では最低3年は続けないとダメ!という話を聞くことがあります。
価値観が変わってきている現在でも、なんとなくこのような風潮は続いているように感じます。
1年以内に会社を辞めるのはそもそもダメなことなのでしょうか?
この結論はただ一つです。
「理由による」ということではないでしょうか。
では、良い理由と悪い理由についてそれぞれ解説します。
良い理由
まず、1年以内に会社を辞めても良い理由は
- 入社前の条件と、入社後の条件に明らかな間違いがある。
- 暴力、極端な過労働など社会的に問題がある。
というようなパターンです。
面接で聞いたことのある話では、
入社前は営業職で、給料も月給30万円と聞いていたのに、初日から配送担当に変更になり、給与も23万円に下がった。
というような話がありました。
この場合、配送担当で求人をかけても応募が集まらないとわかって、嘘の求人をかけていることが考えられます。
また、入社して3ヶ月でいきなり殴られたというような話や、月に休みが2日しかなく、朝6時に出勤して帰宅は毎日終電なんていう方もいました。
このような「違法事業者」であれば、頑張る必要なんてありません。
今すぐにやめなければ、体や心を壊してしまうリスクもありますので、良い悪いの前に、転職を検討した方が良いでしょう。
悪い理由
反対に1年以内で辞めてはいけない理由というのは
- 思っていた仕事じゃなかった。
- やりたいことができない。
- 雰囲気が合わない。
などです。
海外向けの営業をしたくて入社したけど、3年目までは国内担当しかさせてもらえなかった。
という方や、
クリエイティブな仕事だと思って入社したら、雑用ばかりさせられた。
というものもありました。
先ほど、1年以内に会社をやめても良い理由について紹介しましたが、実は、良い場合と悪い場合というのは非常に曖昧な部分があります。
例えば、
- 営業で入社したけど、配送をやらされた。
- クリエイティブな仕事だと思って入社したら、雑用ばかりさせられた。
というのは一見すると同じような話に聞こえます。
しかし、この2つの違いは我慢するべき事かどうかという観点であり、この判断を間違えると自分の価値を下げてしまう事になります。
大抵の場合、1年以内に辞めるのはダメなこと
先ほど、1年以内に会社を辞めても良い理由と悪い理由について説明をしましたが、1年以内に会社を辞めることはキャリアの面でも、転職の面でも良いことではありません。
なぜなら、たった1年間のストレスに耐えられない人というのは、どこの会社に行っても何かと言い訳をつけ、辞める理由を探してしまうからです。
もちろん、暴力や、体を壊すほどの労働条件、詐欺まがいな募集方法など社会的に見て違法な場合は別です。
しかし、
- やりたい仕事をさせてもらえない。
- 思っていたのと違う。
というような、自分の欲求が満たされないから辞めるという場合、必ず、同じことを繰り返します。
これも実際にあった話ですが、ある時、40代の転職者の方とお会いすることがありました。
職務経歴書を見ると20年間で10数回の転職をしていました。
1社だけ5年ほど勤めた会社がありましたが、後は1年、2年未満というものがほとんどでした。
また、転職している業界も職種も全く別で、一貫性のない職務経歴でした。
私は、なぜ、こんなに転職を繰り返しているのか?と聞くと自分に合う仕事がわからないと話していました。
半年やそこらで、仕事の本質なんて見えてくるはずないですし、1年半やそこらで、一人前の仕事ができるようになるわけないですよね。
しかし、その方は自分の思いとポテンシャルだけで活躍できる仕事があるはず!と思い込み数十年間社会に出ていたのです。しかも、残念ながら給与は新卒の社会人よりも低いかったです。
彼は「会社を続けない」事によって、自分の価値を下げてしまっていたのです。
石の上にも三年ということわざがありますが、あの言葉は3年我慢できないやつはクソだ!という意味ではありません。
どんなにしんどくて、辛い仕事でも3年間続けてみると、何かのスキルが身についたり、やりがいを見つけられたり、次のキャリアを考える時に比較する武器になるという意味があるのです。
今はやりたい仕事をやらせてもらえていなくても、3年我慢すればやらせてもらえるようになるかもしれません。
雑用を1年間続けていれば、2年目から大きな仕事を任されるかもしれません。
このように、成功体験を積まずに転職するというのは、キャリアの面でも、転職の面でも、自分で自分の価値を下げることと同じなのです。
やりきることで自分の価値はあげられる!
上の二人を見てください。
- 嫌だったけど一応、3年間頑張ってみたAさん
- 1年以内の短期で転職を繰り替えしたBさん
です。
感想を見るだけでも、どちらの人材に価値があるかわかりませんか?
3年間頑張ったAさんは、今の仕事を続けて行っても”やりがい”がわかっているので、仕事を楽しんで続けることができるでしょう。
また、仕事の本質も見えているはずですので、どんどんスキル(技術)を伸ばす事ができるはずです。
そして、さらなるキャリアアップを考えて転職活動を始めた場合でも、いろいろと語れる話があるでしょうから、面接も通過しやすくなります。
反対にBさんは、自分自身もつまらない3年間を過ごし、さらに、転職活動を始めても自分の望むような企業から内定をもらうことはできないでしょう。
私も、これまで転職を2度ほど経験していますので、転職すること自体が悪いこととは一切思っていませんが、Aさんになるか、Bさんになるかというのは常に意識しながら意思決定をしてきました。
つまり、大した能力がない人ほど、やりきることで自分の価値を上げていかなければいけませんし、その価値を上げる努力をすることが必要だと言えるのではないでしょうか。
まずは自分のキャリアのために1年間はやりきってみよう!
今回の記事では1年以内に会社を辞めることはダメなのか?というテーマでキャリアと転職の2つの側面から解説をしました。
結論、1年以内に会社を辞めることは必ずしも悪いことではないが「やりきること」いわば成功体験を積むために、「やめないという選択肢」に是非、挑戦していただきたいと私は考えています。
とはいえ、ここまで読んでも転職をしたい!会社を辞めたい!と思う方は、思い切って辞表を出し、転職活動を頑張り、次で同じ過ちを繰り返さないように頑張れば良いのです。
まずは自分の気持ちに素直になり、最善の選択ができるように努力をしていただければと思います。