先日、お会いしたある方のお話です。
その方は大学を卒業後ある部品メーカーの営業職として就職をしました。しかし事情があって、会社を退社し、実家にこもって「公務員試験の勉強」をしているそうです。
この方の面談から、学んだ転職活動の進め方という話をしてみたいと思います。
焦った時こそ、自己分析が重要
自分で決めて行った転職活動とはいえ、長引いてくるとやはり「焦り」というものは出てきます。彼も例外ではなく、年に数回程度の試験のために朝から晩まで勉強をしているそうで、外出することも少ないため生活のリズムも少し不安定になっているようでした。
私との会話の中で「公務員になると決めて退職したものの、やはり長引いてくると家族にも心配をかけているように感じるし、公務員にこだわっていることに意味があるのかどうかがわからなくなってくるんですよね。」と漏らしていました。
なぜ公務員にこだわるのかということを彼に尋ねてみたところ、「安定していて給与もそこそこ良いし、もう転職はしたくないので」ということでしたが、私はこの回答から公務員でなければいけない理由がわかりませんでした。
続けて、公務員じゃなくても銀行とか、大手企業とかであれば同じことが言えるんじゃないですかね?というと彼は「人の役に立ちたいっていうのも実はありまして」と答えました。
「公務員は仕組み上、人の役に立つということがわかりやすい職種かもしれません。しかし、世の中に人の役に立たない仕事など無いと私は思いますけど、それでも公務員にこだわる必要ってありますか?」と尋ねると「そうですね。。。おっしゃる通りかもしれません」と答えていました。
私が言いたいことは公務員を諦めたほうが良いということではなく、迷っているのであれば、なぜ迷っているか?なぜ公務員でなければいけないか?をしっかりと考える必要があるということです。
仕事を決める上で、途中で他の道のほうが自分に合っているということを思ったのであれば勇気を持って道を変えてみるということも重要なことだと思います。
転職活動中に自己分析ができていない人はかなり多い
なんとなく仕事が嫌で退職をした人や、もっと給料が多い仕事をしたいと思って軽い気持ちで転職活動を始める人は結構多いですが、転職活動は思ったより「めんどくさい」ものです。
めんどくさいからと言って、考えることをやめてしまうと。必ず後悔します。
このような後悔をしないためにも、なぜ、転職をするのか?、なぜ、会社が嫌なのか?、なぜ、このようなことを思ったのか?という自分の行動や、思いに対して、考え直すことが必要だとおもいます。
簡単にできる自己分析トヨタ式5W1H
転職活動だけではなく、意思決定を行う上で重要な自己分析について簡単にできる方法についてアドバイスをしたい思います。私がオススメする方法は、トヨタ式5W1Hです。
ビジネスにおける分析方法の一つに5W1Hというようなものあります。
通常5W1Hとは
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どうする)
というものですが、
トヨタ式5W1Hは
- Why(なぜ)
- Why(なぜ)
- Why(なぜ)
- Why(なぜ)
- Why(なぜ)
- How(どうする)
という風に行われます。
私はこの方法が大変簡単で自己分析を行いやすい方法だと思っています。
例えば、転職をしたいということをテーマを例に解説をしたいと思います。
転職をしたい→給料がやすい→友人たちは年収500万円もらっているが自分は300万円→そもそも会社の給料が低い→年商が2億程度の零細企業だから→「よし、大手に行こう」
転職をしたい→もっとスキルを伸ばせる職場が良い→新規営業しかやってない→そもそも新規営業しかない会社だから→個人向けのサービスを行っているので新規が多い→「よし、既存顧客フォローメインの会社に行こう」
このように、転職というテーマ一つとっても意外と想定していなかった理由まで出てきます。
また、シーンを変えると
この会社に魅力を感じる→面接担当の人の雰囲気がよかった→ゆったりしている雰囲気であまりガツガツしてなさそう→昔ながらのルート営業で業績が安定している会社だから→衣食住に関わる企業で、設立から半世紀以上経っているから→「よし、業界は衣食住に関わるもので、なるべく設立年数が古い会社を見てみよう」
このようなことがわかってくると思います。トヨタ式5W1Hは簡単に自己分析、思考の整理ができる優れた方法だと思います。
焦った時こそ、自己分析。転職活動の進め方についてまとめ
今回は先日面談をした彼の例をもとに転職活動において重要な自己分析、そして、簡単に自己分析を行う方法についてご紹介をいたしました。
そんな時間のかかかることではありませんし、さらに、大掛かりや知識もいらないトヨタ式5W1Hを利用して、転職活動に迷った時や、自分の思考が整理できていないと感じた時に頭をすっきりさせ、満足のいく転職活動を行ってください。