私は日々、多くの転職者の方の面談をしていますが、意外なほど転職の目的を明確に持っている人は少ないものです。
何のために転職活動をするのかが明確かつすぐに答えられない人は内定は取れても、必ず自分のキャリアで悩むことになります。
つまり、転職の目的を明確化することは転職活動だけではなく、自分のキャリアを充実したものにするためにも非常に重要なのです。
今回の記事では転職活動をこれから始めたい方、転職活動中の方のために、転職の目的を明確化するためのコツを紹介します。
目次
あなたはなぜ転職をしますか?
あなたはこの質問をされた時どんなことを答えますか?
- 自己成長?
- 社会貢献?
- 給与を上げるため?
どんな目的で転職をするのでしょうか。
最近、人材業界の知り合いと話していた時
「最近の転職者って、本音が全く見えてこない人多いよな〜自己成長とか社会貢献とかもう聞き飽きたって(笑)」
という話を聞きました。
確かに、日々面談をする中で、自己成長、社会貢献というキーワードは耳にタコができるほど聞いています。
私は「自己成長が目的」と聞くと
「何のために成長をするのですか?成長したいということはなんか夢があるんですよね?」
必ずこの質問をします。
しかし、9割くらいの方はこの質問に答えることができません。
社会貢献の際も同じです。
「何のために社会貢献するのですか?私は生まれてこのかた社会貢献をしたいなんて思ったことがないので教えてください。」
と少し意地悪に質問します。
この質問にまともな答えを持っている人にほとんど会ったことがありません。
何が言いたいかというと
「目的もなく、自己成長、社会貢献だなんて程の良いこと言う方は、何も考えていないのと同じ」
ということです。
正直なことをいうと適当なことを言っていても仕事ができそうだと判断されれば内定をもらうことはできます。
しかし、それでいいのでしょうか。
私は内定を取ることよりも、どんな人生を実現したくて、そのためにどんな目的を持って転職をするのかの方がよっぽど重要だと思います。
転職の目的を明確にするコツ
それでは本題の、転職の目的を明確にするコツについて紹介していきます。
転職の目的を明確にする手順としては
- 人生の目標(夢)の明確化
- それを達成するために必要なスキル・条件の洗い出し
- 今やるべきことの明確化
- 今やるべきことが実現できる転職活動
という流れになります。
夢や人生の目標というと余計ややこしくなりそうですが、最後まで読めばわかります。w
人生の目標(夢)とは?
人生の目標や夢と言われても「やりたい仕事なんてないしなー」と思う人が多いと思います。
なぜか日本人は仕事ベースで目標や夢を語りたがるのですが、そもそもそれが間違いです。
考えやすくするために、まずはこの質問を考えてみてください。
「あなたの尊敬する人は誰ですか?」
孫正義さん、ホリエモン、ドナルド・トランプ、学生時代の恩師、会社の先輩、祖父、祖母、父、母‥誰でもいいです。
一人考えてみてください。
思い当たる人が出ましたか?
それを達成するために必要なスキル・条件
例えば、尊敬する人を「父」と置いた時、次にやることは父のどこが尊敬できるのか?を思い浮かべることです。
私も尊敬する人物として「父」はあります。
なぜ父を尊敬しているかというと
- 3人の子供を私立大学に下宿をして通わせてくれるほど蓄えをしていた
- 私の人生の転機では、アドバイスをくれたを語ってくれた
- 一つの会社で定年まで勤め上げた
- 浪費、不摂生はほぼせず、着実な性格をしている
- ローンを組まず、一括で戸建を購入した
などがあります。
では今の私はというと
- 3人の子供を私立大学に行かせるだけの蓄えがない
- 浪費や不摂生も度々ある
- ローンを組まずに戸建を買えるほどの年収がない
という状態です。
つまり、
将来なりたい自分像-今の自分=やらなければいけないこと
という方程式が成立します。
もちろん、全く同じ人物になりたいと思う人はいないと思いますので、良いところ、悪いところを考え、良いところだけを目標にするようにする作業は必要です。
このように考えると自分がこれからやっていかなければいけないことが少しずつ明確になっていく気がしませんか?
今やるべきことの明確化
先ほどの工程までで、
- 人生の目標(夢)→父のような人間になること
- 父のような人間になるためにやらなければいけないこと→父の年収を超えること、父のように堅実に蓄えをすること
ということまでが明確になりました。
では今やるべきことは何かというと
- どうすれば、父の年収を超えることができるか?
- どうすれば父のように堅実に蓄えをすることができるか?
を考える作業です。
おそらくですが、父の年収は800万円〜900万円程度でした。もちろん、共働きだったため、私の両親の総所得は1200万円〜1300万円程度だと推測ができます。
一人で年収が1200万円超えるということも簡単ではないですが、不可能でもありません。
逆に、看護師さんなど給与の高い奥さんを見つけ、自分が600万円、奥さんが600万円で合計1200万円を目指すこともできるでしょう。
私の場合、考え方が古くさく奥さんに働かせたくないという思いがあるため、選択肢は前者一択です。
一人で1200万円稼ぐとなると、そもそも年収が1200万円もらえる可能性がある会社に勤務することが最低条件です。
社長の年収が1000万円の会社に入ったら私の目標、夢は一生かかっても達成できません。w
段階的に考えることでここまでやることが明確になってきます。
今やるべきことが実現できる転職活動
先ほどまでの工程で、私が人生の目標を叶えるためには1200万円の年収を稼がないといけないことがわかりました。
では、具体的に転職活動で私がやらなければいけないことは、
1200万円以上の会社を探して、内定がもらえるように努力をすることです。
私は幸いに営業経験がありますので土地活用の不動産業界や、オフィス複合機などの営業職を選ぶでしょう。
しかし、現状スキルがないという方は、どんな仕事を選べば、最短で目標を達成できるかを考えそして、希望にあう企業を探し、内定がもらえるように努力するだけです。
整理した内容をまとめると…
ではここまでの作業で転職の目的が明確化しましたので整理したいと思います。
先ほどの例をもとに答えると
転職の目的→1200万円以上の年収を実現するためのステップアップです。
なぜ1200万円の年収を稼ぐのですか?→子供に不自由をさせなかった父を尊敬しており、父のような人間になるためです。
このようになるのではないでしょうか。
どう受け取るかは人それぞれ、企業それぞれですが、言ってることについては納得感のある内容と言えるのではないでしょうか。
これが転職の目的の考え方です。
人生の目的を考えて有意義な転職活動を送ろう!
今回は転職の目的を明確化するためのコツとして、人生の目標(夢)から逆算する考え方について紹介しました。
人生を旅に例えることがありますが、行き先のない旅は成立しませんよね。
人生も同じで、道中いろいろと寄り道をしたり間違えたりすることはあっても、何かしらの行き先(目標)を決めておかなければ、すべてのことが中途半端になってしまいます。
したがって、転職の目的が重要なのではなく、人生の目標をふんわりでもいいので定め、それに向かって進んでいくことが重要だと言えます。
人生の目標(夢)を考えることは簡単ではありませんが、転職という転機を利用して一度考えてみてはいかがでしょうか。