日々多くの転職者の方と接点のある仕事をしていると、転職理由が「会社の経営不振」だという方にお会いすることがあります。
また、このような理由で転職される方は10名いれば3名くらいはいるような印象です。(詳しく数値化した事が無いのであくまでも体感的なものですが。。。)
実は、経営不振を理由に転職される方でも、良い転職のパターンと、悪い転職のパターンが存在している事をご存知でしょうか。
今回は経営不振で転職をされるという方に知っておいていただきたい考え方について解説します。
目次
そもそも「転職理由」と「転職のきっかけ」を混同して無いですか?
面接の場面で、転職理由を聞かれた時、多くの方が転職のきっかけを答えます。
正しく転職理由を答える方は実は多くありません。
転職理由とは
「会社が経営不振になって、給料が下がり生活ができなくなったから」
「会社が経営不振になって、当初やりたかった仕事ができなくなってしまったから」
「会社が経営不振になって、今後の事を考えると、若いうちに転職しておいた方がいいと思ったから」
このような内容です。
上記の話には会社が経営不振になったというきっかけと、経営不振というきっかけに付随する理由が存在します。
理由の部分は上記の3つが違うように、三者三様な内容になってしかるべきです。
しかし、「会社が経営不振になったから転職をします。」という内容だけでは、「経営不振になったから何?」という点が見えてきません。
つまり、転職理由というのは常にきっかけと理由が存在し、その両方を適切に伝える事が重要だという事をまずは理解していただきたいと思います。
経営不振がきっかけで転職する悪いパターン
経営不振が原因で転職するという方の悪いパターンをまずは紹介します。
例えば、
現職→家電メーカーの営業、希望する転職先→大手広告代理店の営業
現職→デザイナー、希望する転職先→アパレル商社の営業
のようなケースがあると思います。
上記のような場合、
転職理由が経営不振
↓
今の仕事の経験を生かして、同業種
↓
なるほど。
となりますが、
転職理由が経営不振
↓
異業種への転職
↓
なんで?
普通に考えたら、経営不振だから異業種に転職するって論理が破綻していますよね。
もし異業種へ行きたいのであれば
- きっかけは経営不振で今後が不安になった
- 転職を意識する中で、〇〇事情があり異業種へチャレンジしてみたくなった
- したがって、異業種へ転職を希望している
上記の流れで言えば、転職理由は1ではなく、2という事になります。
転職活動というのは論理的に考えていかなければいけません。
経営不振や会社の状況を理由に転職したいという方の多くが先ほど紹介した例のように論理が破綻しているケースが非常に多く、これでは面接に通過できるはずがありません。
このようなケースは非常に悪いケースだと言えます。
経営不振がきっかけで転職する良いパターン
続いて、経営不振がきっかけで転職する良いパターンについて紹介します。
良いパターンと言っても、先ほど紹介した悪いパターンの裏返しですので、なんとなくお判り頂けると思いますが、
「きっかけ」「理由」「希望する転職先」に一貫性があり、「逃げ出した」という印象を与えないという事が重要です。
経営不振をはじめとして、会社の制度や状態を理由に、転職を考えている方の多くが、よくよく話を聞いてみると
- 実は、仕事内容に不満が、、、
- 実は、待遇に不満が、、、
- 実は、給料が安くて、、、
- 実は、残業が多くて、、、
という悩みを持っています。
つまり、本音を言うのが良く無いかもといった理由から経営不振などのせいにしてしまう方が多いのです。
もちろん、面接官は人を見抜くプロでもありますので、必ず嘘や、破綻している論理は見抜きます。
したがって、きっかけはきっかけ、理由は理由でしっかりと切り分けられていれば面接官を納得させる事ができるというわけです。
きっかけと理由を分けて考えられるかが転職理由を上手に話す鍵!
今回は経営不振というよくある転職理由を元に転職理由の伝え方について紹介しました。
経営不振に限った話ではありませんが、環境や会社のせいにするというのは転職活動においても最も嫌われるタイプです。
したがって、きっかけ、理由を切り分けた上で客観的に納得感のある説明ができるように準備する事が重要だと言えます。
今回の記事を参考にしていただいて、ぜひ!有意義な転職活動をしていただきたいと思います。