先日ある求職者の方とお話しをする機会があったのですが、その際に感じた「転職活動を成功させたければ批判を恐れず、チャレンジすべし」という事について今回はご紹介したいと思います。
転職活動や、就職活動において非常に重要だと感じた内容だったので、企業選びなどで迷っている方は是非ご覧ください。
目次
自分にふさわしい企業がない。。。そんな事ないですよ?
早速本題に入りたいと思いますが、先日面談をさせていただいたのは、20代後半の転職者の方でした。大学の就職活動の際に思うようにいかず、取り合えずエントリーした”正直なところ全く興味もない”企業に就職したそうです。
経済的な事情や、社会的な目から、就職浪人という道は選ばずに就職した企業で7年間勤務をしたそうですが、30歳を目前にして転職するなら今しかないという事で転職活動を始められたそうです。
しかし、大手転職サイトを覗くと名だたる大企業が名前を連ねており、条件を見ても自分の年収よりも百万円以上高い募集内容ばかりで「正直、自分の身分相応な企業は少ないな」と感じたとおっしゃっていました。
果たして本当にそうでしょうか?
その方が特に気にされていたのは「自分の年収が平均よりも大幅に低い=自分はスキルがない」と感じており、つまり、自分の年収よりも高い金額で募集がかかっている企業は自分の力量では務まらないと考えていたようですが、そもそも経済の原理、会社の仕組みとして理論破綻しているなと私は感じました。
確かに、労働の対価として賃金が支払われる仕組みで成り立っている以上、先ほどのように考えてしまうのも無理はありませんが、会社の給与や待遇は個人を適正に評価しているものとは言えません。
同じ業種でも全く違う給料の話
ここで企業の実情をご紹介したいと思います。
私のお付き合いのある企業様の中に、偶然にもある業界で一位の企業と、二位の企業の両社があります。その企業で募集する職種は営業職なのですが、仕事内容としては全くと言って同じ内容です。同じくらいの担当者数で、同じくらいの売り上げ目標を持っている営業職です。
しかし、その二つの企業の募集内容を見ると業界一位のA社は年収500万円程度、B社は430万円程度と大きく幅が開いています。しかも、数年後の平均年収を見るとさらに幅が開き200万円以上の給与差があります。
今は特定の業界についてをご紹介しましたが、このような事は他の業界や企業でも往々にしてあります。
ではなぜ仕事内容が同じにもかかわらず、給与額が違うのかという点について解説しますとその理由は
・企業規模
・従業員に対する経営者のスタンス
大きく分けると上記の二つだと思います。
企業規模
経済に疎い方だとイメージしづらいかもしれませんが、会社は出資会社、親会社というものがあるケースと、単体でやっているケースがあります。身近な例を挙げると、もともとは駐車場をやっている会社が居酒屋もやっていて、居酒屋を直接運営しているのは株式会社Aだが、出資は駐車場経営を行う株式会社Bが行っているもの、そして、居酒屋をやっている株式会社Aしか存在せず、親会社や、出資会社はないというものです。
ここまで説明させていただくとお分かり頂けると思いますが、当然、金銭的な面での安定性は前者の出資会社があるケースですね。つまり、同じ居酒屋でも、出資会社がある会社、ない会社では金銭的な安定感が変わってくるため、給与が高くなる可能性があるという事です。
このような事は他の例でも当てはまり、同じ業界でも一位の企業と業界30位の企業では当然ながら、売り上げも違えば会社の資本金なども変わってきます。当然前者のほうが、金銭的な余裕もあり給与が高くなるケースもあります。
従業員に対する経営者のスタンス
続いては経営者のスタンスによるもの。割りとこの辺りは給与に関係しがちです。ただ、こちらで注意しなければいけないのは単にケチというだけではないという事です。もちろん、なるべく給与を安くして、経費を減らしたいと考える経営者がいるのも事実ですが、例えば、代々無借金経営にこだわっているため内部留保(会社の貯金)を多く取っているというケースがあったり、新しい事業や、別の事業のために会社の儲けを蓄えている。というケースもあります。
どちらにしろ給与は経営者やそれに準ずる方が決めていくものですので、経営者のスタンスもとても重要ですね。
このように、給料の金額については単に仕事の難しさや、求めるものが高いからというだけではなく、上記のような理由も関係する事が多いにあります。つまり、今の給与よりも高い給与の会社に転職する事自体に臆する必要はないと思います。
会社のブランドも気にしてはいけない
続いて、給与と同じくよく耳にする「あんな有名な企業にはいけないと思うんです」という話という話。大手の求人サイトを見れば、テレビコマーシャルをやっている会社や、ニュースなどでも名前を聞く大企業ばかり、自分にふさわしい企業なんてなさそうだ。と思う事自体は私も気持ちはわかります。
しかし、私自身ももともと有名でも何でもない会社にいて、その後ある程度名前の知れた会社に入った経験があります。
その経験から思う事は、小さい会社のほうが仕事が大変だったな。という事です。
そのように感じた大きな理由としては、
・大手のほうがルールがしっかりしている
・そこで頑張る動機が作りやすい
このような理由がありました。
大手のほうがルールがしっかりしている
以前小さな会社にいた時は、毎日、朝9時から24時まで仕事をしていました。土日はしっかり休みでしたが、平日はクタクタで寝るだけの生活でしたし、給与も少なくはなかったですが、特別多くもなく労働時間相応かな?というところです。
また、仕事内容も、人数が少ないという事もあり、担当領域も結構ファジーな状態になっていました。そのため、あれもこれも全部自分でやるという状態だったため、仕事だけ増えて本来自分の仕事である「売り上げを上げる事」に注力できなかったという事もあります。
今、抽象企業で勤務している方は多分同じような経験があると思います。
反対に、大手企業はというと、違った大変さはありました。しかし、原則、21時までには絶対退社で、きっちりと勤怠管理が行われていたため、労働時間はぐっと短くなりました。しかも、営業事務さんや、庶務さんがちゃんといるので一つの仕事に専念する事が出来ました。
その分、「売り上げを上げるという事」に専念しなければならないため、量ではなく質に注力しなければならないという別の大変さはありました。
そこで頑張る動機が作りやすい
もう一つの話では、精神的に楽だったという話ですが、私が1社目の企業に入社したのは小さな会社で「将来の企業に向けて小さな会社で頑張りたい」と意思を持って選んだのですが、親からは「何でそんなところ行ったのよ」と結構言われていましたし、友人達が証券会社だー大手メーカーだーいく中で若干劣等感を持って働いていました。
しかし、大手の企業に勤めてからは両親や祖父母も「嬉しいわ〜」と言っていましたし、当時お付き合いしていた方も喜んでいました。私からすると「確かに名前は有名だけど、みんな喜ぶような対した仕事じゃないけどなー」というような事を感じていました。
ただ、一つ言える事は、続けるための動機になりうる話ではあるなと思ってはいました。実際に同僚の中ではフェイスブックに自分がそこの社員とわかるようにこれ見よがしに情報をアップするような人もいましたしね。
つまり、一生努めたいというような思いがある方はある程度、客観的に自分が誇れるブランドのある会社を選ぶ事も会社選びでは重要かもしれません。
色々言いましたが、私の見解としては大手だろうが、中小企業だろうが、イメージの中では「すごい!」というような感覚もあるかもしれませんが、実態は一長一短でどちらが優れているというわけではないという事です。
転職活動の成功のためには自分を過小評価せず、チャレンジすべしまとめ
今回は、転職アドバイスをする中でよく聞く自分に相応しくないという点について解説をしてみました。とりあえず、名前などに臆する事なく、自分の思った企業、少しでも興味を持った仕事に関しては自分の中で興味を持った理由を明確にして、チャレンジしてみるのが最も良いと私は思います。
転職活動で企業や仕事選びに悩んでいる方は是非こちらの記事を参考にしていただき、フラットな目で方向性を決めていただければと思います。