中途転職において、まずクリアしなければいけない壁である『職務経歴書』
しかし、重要なのはわかっていても誰も適切な書き方については教えてくれません。
今回は、これまで500名以上の合否に携わり職務経歴書を見てきた私が、選考通過率を上げる職務経歴書の書き方についてご紹介したいと思います。
今回お伝えする内容はどのような業界にも通用する軸になる部分を中心に解説していきますので是非、参考にしていただいて、転職活動を有利に進めていただきたいと思います。
目次
職務経歴書はあなたの第一印象を左右するもの
職務経歴書とはあなたが過去どんな仕事を経験しどんな強みがあるのか?などの情報を企業に対して伝えるいわばラブレターのようなものです。
ただ、本物のラブレターと違う点は『職務経歴書を見ている段階で、採用担当者はあなたのことを知らない』という点にあります。
つまり、転職活動における第一印象は面接で部屋に入った時ではなく、履歴書や職務経歴書によってつくられるという点をまずは理解していただかなければいけません。
私は仕事で日々多くの転職者様の面談や面接をさせていただいています。また、多くの企業の採用担当者とともに面接の仕事をしています。
その中で私に限らず、多くの面接官が、面接前に履歴書や職務経歴書などに目を通してある程度の"当たり"をつけてから面接に臨んでいます。当たりとは書類に目を通した段階で、通過予定者とそうでない方を分けてしまうということです。
実際の面接では一人づつ丁寧に会話をしますが、やはり、事前に通過予定者に振り分けた方はそのまま通過することが多いです。
その理由は職務経歴書が優れている→優れていると思わせる工夫ができる→面接でもわかりやすく説明することができるというものだと思っていただければ良いのではないでしょうか。
書類選考が通過率がよくない方の多くは『自分の学歴や職歴がダメだから書類選考に通過しないんだ、、、』と思い込んでしまっている方もいますが、実際のところ過去の経験よりも職務経歴書自体の書き方やアピールの仕方で判断することが多いので職務経歴書の書き方を工夫することで書類選考の通過率を上げることは難しいことではありません。
職務経歴書は『見やすさ』と『企業との接点』が重要
それでは具体的に書類選考通過率を格段に上げる職務経歴書の書き方についてご紹介したいと思います。
この内容は、某大手人材紹介会社の提供する職務経歴書書き方セミナーの内容に準じたものとなっていますので是非参考にご覧下さい。
職務経歴書を書く上で工夫をしなければいけないことは『見やすさ』と『企業との接点』の二つです。
私がこれまで見てきた職務経歴書の多くはタラタラと時系列に沿って過去の経験が並べられているだけのものが多かったです。
また、見やすさにこだわっている方も一定数はいますが、企業との接点まで踏み込んで書かれている職務経歴書はほとんど見たことがありません。
つまり、『見やすさ』『企業との接点』の両面にこだわっている職務経歴書を書くことができれば、面接前の段階で通過予定者に入れる可能性がかなり高くなるということです。
それではそれぞれの観点に沿って具体的にやらなければいけないことを解説します。
職務経歴書の見やすさはビジネススキルに直結?
では、職務経歴書の見やすさについて具体的にやることから解説していきたいと思います。
見やすい職務経歴書のポイントは
- 大見出し、小見出し、本文などのルールが統一されている
- 箇条書きを用いて簡潔な内容となっている
- 専門用語などを多用せず、分かりやすい言葉使いがされている
上記の3点を抑えていればひとまず、見やすい職務経歴書であると言えます。
また、見やすい職務経歴書が書けない人は実際に採用した後の現場でも、見やすい企画書や資料作成ができないというふうに判断しがちですので、職務経歴書はビジネススキルの判断に直結するものだと考え、手を抜かないように時間をしっかりとって作成するようにしましょう。
大見出し、小見出し、本文などのルールが統一されている
ルールを統一するというのはある程度、ビジネスにおけるルールなので基本中の基本だと言えます。
特に、経験社数が2社以上ある場合は、特に注意をしなければいけません。
また、見た目のルールを統一することもそうですが、1社目の小見出しに職務内容を書いたのであれば、2社目の小見出しにも職務内容を書くというふうに内容にも統一感を持たせることが重要です。
箇条書きを用いて簡潔な内容となっている
簡潔な内容かどうかは良い職務経歴書を書く上で非常に重要です。
面接官も時間がない中、職務経歴書をチェックしますので長々と文章が書かれているような職務経歴書は読む気がしません。
ビジネスの基本として結論先行で話しましょうというようなことを言われますが、職務経歴書でも結論→必要があれば補足として文章を書く。という流れが良いでしょう。
また、文章を書く際も150字前後で改行をしたり、パッと見た時に『長い!』と思わせないような工夫が必要です。
専門用語などを多用せず、分かりやすい言葉使いがされている
そして最後のポイントですが、分かりやすい言葉使いをするということです。
能ある鷹は爪を隠すではないですが、仕事ができる人ほど難しい専門用語や意味がわからない横文字などは使わないものです。
また、同じ業界への転職活動であれば、業界独特の専門用語でもある程度、面接官に伝わりますが、異業種への転職の場合、面接官がそもそも、その言葉を知らないという可能性も十分ありますので『読んで意味がわからない』『調べなければ意味がわからない』というような言葉は使うべきではありません。
この辺りは、家族や友達などに一度読んでもらいわかりにくい言葉がないか、わかりにくい表現がないかを確認してもらうようにすると簡単に確認することができます。
使い回しは絶対NG!?職務経歴書で伝える『企業との接点』
続いては職務経歴書で伝える企業との接点の話です。
私は転職者の方へアドバイスをする際に『企業との接点』を最も重視して面接対策をしてくださいといつも伝えています。
具体的に企業との接点とは
- 企業が聞いて期待を抱くようなあなたの過去の経験の接点
- あなたの目標と企業の強みが一つにつながる志望動機の接点
- 企業の社風や業界環境との思考性の接点
この3つです。
企業が聞いて期待を抱くようなあなたの過去の経験の接点
まずは過去の経験の話です。
例えば、職務経歴書では『新規開拓において過去3年連続で120%の達成』などと過去の実績を記載する方は多いと思います。また、多くの方が自慢できるような内容を中心に職務経歴書を書いているのではないでしょうか。
しかし、ただの自慢を書かれても読んだ面接官からすると『へー。だから何?それってすごいの?』と思ってしまいます。
なぜかというと、目標の達成率というのは汎用性がないからです。
もしかすると、単に目標が低かっただけかもしれませんし、運が良かっただけかもしれません。従って、前の会社で3年連続120%達成をしていたからと言って、採用後に自社でも活躍してくれるかどうかは全くわからないということになります。
では反対に新規開拓中心の営業職へ応募した場合、
『新規開拓において【数をこなす重要性】と【売れている営業を徹底的に模倣する重要性】を身につけた』
と書かれていた場合、新規営業の本質を捉えており、自社で採用した場合に活躍してくれるイメージが持てる感覚はお分かり頂けると思います。
また、ルート営業に応募した場合
『ルート営業において【顧客接点の質を上げる工夫】と【仮説を立て、提案を繰り返しPDCAを回す重要性】を身につけた』
と書かれていれば、どんな人間か知りたい!という興味が湧いてきます。
過去の経験を記載する際は、応募している会社で求められるものを把握し、内容を変えていかなければ全く意味がないと言えます。
あなたの目標と企業の強みが一つにつながる志望動機の接点
続いては志望動機の接点です。
例えば、一部上場している大企業と、正社員が10名ほどのベンチャー企業では、求めているものが変わるということはなんとなくイメージできると思います。
もし、あなたが安定して働きたい!という目標があった場合、
『私は腰を据えて、お客様に密着して役に立てる仕事がしたいと思っています。』と志望動機を記載すれば、大企業の方からの評価は高くなりますが、ベンチャー企業の方からの評価はおそらく低くなってしまうと思います。
これは極端な例ですが、様々な業界や企業に応募する場合、志望動機に関しても企業の規模や仕事内容に合わせて変える必要があります。
企業の社風や業界環境との思考性の接点
最後は社風や業界環境における思考性の接点についてです。
例えば、金融業界とIT業界では社風が異なるというようなイメージは容易に想像できるのではないでしょうか。
お金を扱い誠実さと確実性が求められる金融業界に
『私の強みはあらゆる事に興味を持ち、チャレンジしていく行動力です。』
と書かれていると、面接官は『もしかしたら、大雑把な人間なのかな?』『金融業界のことちゃんとわかっているのかな?』というように不安要素を残してしまいます。
しかし、IT業界で
『私の強みは真面目に目の前のことを淡々とこなすことです』
と書いていると、『真面目すぎてうちの社風に合わないかもなー』と思われてしまいかねません。
つまり、業界、企業の社風、規模によって求められているものは必ず変わってきますので、それぞれの企業の状況を的確に把握しアピールする内容を変えていかなければいけません。
書類選考の通過率を上げるには企業選びも重要
ここまで面接官から評価の高い職務経歴書のポイントについて解説をしてきました。
しかし、転職活動の基本は企業の希望と、あなたの希望の接点を探す作業です。
従って、どんなに優れた職務経歴書を書いたとしても企業の希望に合致していなければ採用されることはありません。
つまり、良い職務経歴書を書くことはもちろん重要なことですが、同時に、あなたが採用されやすい企業を探すことも同じくらい重要なことなのです。
具体的にあなたが採用されやすい企業を探す方法としてはたった一つだけです。それは、
複数の転職サイトを利用して幅広い情報収集を行う
ということです。
おそらく、転職活動をしている方の多くがDODA転職支援サービスやマイナビ転職といった大手の転職サイトを利用していると思います。
大手の転職サイトは情報量が多いと同時に、ハイスペックな方を求める求人や未経験の方でも内定を出す企業の求人が同時に掲載されているため、転職が初めてという方や自分のスペックに自信のない方にとっては使いにくい一面があります。
このような時に未経験歓迎の求人に特に力を入れている転職サイトバイトルNEXT(ネクスト)や、若手向けの転職を支援する『マイナビ20's』などのサービスを使うと、採用される可能性が高い企業を効率的に探すことができます。
良い職務経歴書作りと同時に、採用されやすい企業探しにも力を入れ転職活動を進めていくことが、転職活動を負担なく効率的に進めていくために重要だと言えます。
まとめ
今回は、転職者の方からの質問が多い職務経歴書の書き方について解説をしました。
ポイントは
- 企業との接点を考えた職務経歴書作り
- 使い回しはせずに個社ごとに作成する
- 良い職務経歴書作りと同時に採用されやすい企業探しにも力を入れる
という3点です。
今回の記事を参考にしていただいて、良い転職活動を行っていただきたいと思います。